需要の価格弾力性とは、価格を1%上げた時に、需要が何%減るかを表す。値段を上げると通常需要が減る。値段を上げた効果が需要減少の効果より大きければ売上高は増えるが、値段を上げたために大きく需要が減れば売上高は減ってしまう。売上が増えるかどうかは価格弾力性が1を超えるかどうかが決め手となる。
値段を上げても需要がそれほど減らない場合、つまり価格弾力性が1を下回れば売上が増える。価格弾力性が1を上回れば、需要減少の効果が大きく出て、売上高は減ってしまう。
需要の価格弾力性は、財やサービスの性格によって変わってくる。必需品の場合は、価格を上げても需要は減らない。つまり価格弾力性は小さい。ぜいたく品の場合は、価格に敏感に反応する。
ディズニーリゾートの価格弾力性をしらべてみよう。1デーパスポート値段と入園者数の関係を調べればよい。
被説明変数に入園者数、説明変数にパスポート料金をとって推計すれば、パスポート料金にかかる係数が需要の価格弾力性となる。
この結果をみると、需要の価格弾力性はプラスになる。値段を上げると、需要が増えるという関係だ。「値段を上げれば、需要が減る」という経済学のセオリーに反した結果となった。値段を上げるほど需要が増える財・サービスはあまりない。ブランド品がそれに当てはまる場合がある程度だ。日本全体はデフレで、一般的な物価は低下しているが、ディズニーランドにそれが当てはまらない。2011年に至るまで値上げが続いている。しかも、入場者数は増えている。ディズニーランドのブランド力の強さを表す結果となった。