バンドリングとは、いわゆる抱き合わせ販売のことである。
新聞記事は全部が読まれるわけではない。読むのはせいぜい4,5個の記事かもしれない。それでもすべての記事の情報料として新聞代を払っている。
マイクロソフトオフィスもそうだ。ワードやエクセルは使うかもしれないが、パワーポイントやアクセスはそれほど使わないかもしれない。それでもすべての購入代金を払う。
遊園地は2部料金制をとることが多い。入場料を支払ったうえで、アトラクションなどはまた別料金として支払う制度だ。
ディズニーランドも2001年までは、こうした制度があった。入場料(当時3900円、パスポートは5500円)だけで中に入って楽しむことができた。しかし、現在はパスポートしかない。これは一種のバンドリングである。
抱き合わせ販売をするメリットを仮設例で説明しよう。Aさんはディズニーランドの雰囲気が好きで入園料に5000円出してもいいと思っている。しかし、アトラクションにはそれほど興味がなく1000円程度なら支払ってもいいと思っている。Bさんはアトラクションの方が好きで、入園料だけなら4000円、アトラクションには2000円払ってもいいと思っている。この2人を両方ともディズニーランドに来させるためには、入園料4000円、アトラクション1000円である必要がある。これで稼げる金額は1万円である。
しかし、両者をバンドリングして、パスポート6000円として売ったらどうなるだろうか。2人とも合計6000円は出してもいいと思っているので、2人ともディズニーランドに来る。しかも2人合わせた1万2000円になる。バンドリングの効果で、売り上げを増やすことができる。
お年寄りの中には、アトラクションは乗らなくてもいいが雰囲気を楽しみたいという人がいる。こういう人からもパスポート料金を徴収していることになる。