経済学の10大原理
5.交易(取引)はすべての人々をより豊かにする。
これは、分業の効果を表わしている。それぞれの人がすべて自給自足するよりは、農産物は農家が、工業製品は企業が、サービスはサービス業者が行った方が、より効率的だということだ。
「ディ二―リゾートキャスティングセンター」の項でも書いたように、ディズニーランドでも、キャストの種類はかなり
細分化されている。
また、
比較優位の生産物に特化して貿易することで、両国の生産量を上げることができるという
比較生産費説の考え方を意味しているともいえる。
たとえば、ディズニーシーの名物、
餃子ドッグと
うきわまんをミッキーとミニーが作ることを考えてみよう。
表の中の時間は、それぞれ1個ずつ作るのにかかる時間を表わしている。餃子ドック、うきわまんは同じ価値であるとする。つまり1個対1個で交換できる。
この表でわかるのは、うきわまんにせよ、餃子ドッグにせよ、ミニーの方がミッキーより速く作ることができるということだ。両方ともミニーの方が作るのが得意だ。ミニーのほうがミッキーより
絶対優位にあるという。
一方、ミッキーは餃子ドッグの方が少ない時間で作れるのに対し、ミニーはうきわまんの方が少ない時間でできる。ミッキーは餃子ドッグに
比較優位を持ち、ミニーはうきわまんに
比較優位を持つ。
この場合、比較優位を持つものを作ることに特化して交換し合った方が、お互いのためになる。
・ミッキーとミニーが餃子ドッグとうきわまんをそれぞれ一個ずつ作ると…
10+12+9+8=
39分
・ミッキーが餃子ドッグを2個、ミニーがうきわまんを2個作って1個を交換すると…
10×2+8×2=
36分
となって、どちらかに特化したほうが、全体にかかる時間が少なくなる。
ミニーの方が両方得意なのに、ミッキーも作ることになっているので、ミニーは何となく損をそそうだが、そうではない。
・ミニーが1個ずつ作るのにかかる時間
9+8=17分
・ミニーがうきわまんだけ2個作るのにかかる時間
8×2=16分
ミッキーにとってもミニーにとっても交易(取引)する方が得になる。