東京ディズニーランドが開園したのは1983年4月。絶妙なタイミングで開園した。10年前なら、オイルショックの頃で、日本にレジャーを楽しむ余裕がなかった。10年後ならバブル崩壊後となり、うまく軌道乗れたかどうかはわからない。
1983年はどういう年だったかを断片的に見てみよう。流行語大賞でイメージをつかもうと思ったが、流行語大賞ができる前だった。1年後の1984年の「おしん」が最初の流行語大賞だ。
ヒット曲は、初恋(村下孝蔵)、めだかの兄妹(わらべ)、さざんかの宿(大川栄策)、探偵物語(薬師丸ひろ子)、ガラスの林檎(松田聖子)、CAT'S EYE (杏里)、時をかける少女(原田知世)など。
山下達郎の「クリスマスイブ」はこの年に発売されたアルバム「MELODIES」に収録されている。
村上春樹に「1Q84」という小説があるが、その舞台の一年前。
内閣総理大臣は中曽根康弘、米国の大統領はロナルド・レーガンである。実質GDP成長率は2.5%、日経平均株価は9323円、対ドル円レートは一ドル=236円、失業業率は2.7%。景気基準日付を見ると、1983年2月が景気の「谷」である。つまり、2月以降景気拡大局面となっている。
ディズニーランドがオープンした1983年は「レジャー元年」と呼ばれた。総理府広報室の「国民生活に関する世論調査」では、「今後、生活のどのような面に特に力を入れたいと思いますか」という問いに対する質問に、それまで一位だった「住生活」という回答を抜いて、「レジャー・余暇生活」が一位になった。
ちなみにそのほかの調査項目を見ても、現在とは違う時代感覚がうかがわれる。「お宅の生活は、これから先,どうなっていくと思いますか」との問いに、1990年までは「よくなっていく」と回答した者の方が多かった。
「今後の生活において,物の豊かさと心の豊かさかのどちらが重要ですか」という問いに対して、心の豊かさが重要と回答した者が優位になったのも1983年で、その後その比重は高くなっている。
ディズニーシーの2001年9月開業というのも幸運だった。失われた10年を経て、曲がりなりにも景気拡大期に入ったのは2002年1月から。開園のタイミングが早まっても遅くても、現在の来園者数が集められなかった可能性がある。
● 今後、生活のどのような面に特に力を入れたいと思いますか
● お宅の生活は、これから先、どうなっていくと思いますか
● 今後の生活において、物の豊かさと心の豊かさかのどちらが重要ですか